池水に (いけみづに)
影さへ見えて (かげさへみえて)
咲きにほふ (さきにほふ)
馬酔木の花を (あしびのはなを)
袖に扱入れな (そでにこきれな)
意味:
池の水に
影までも見えて
咲いて匂う
アセビの花を
袖に(枝から)しごいて入れよう
作者:大伴家持
この歌は、甘南備 伊香(かんなび の いかご)の山荘で、大伴家持がその山荘を見て作った歌です。ここには、オシドリが住んで馬酔木(アセビ)の花が咲いていたという。馬酔木の花は馬もふらふらになるほどの毒があるそうで、自然や動物に詳しい大伴家持がその毒のある馬酔木の花を袖に取って入れようと歌っているのはどういうことでしょうか。
アセビ: