川の上の(かはのうへの)

つらつら椿(つらつらつばき)

つらつらに(つらつらに)

見れども飽かず(みれどもあかず)

巨勢の春野は(こせのはるのは)

意味:

川のほとりの

数多く並んで咲いているつばき

つくづく

見ても飽きません

巨勢(今の奈良県御所(ごせ)市)の春の野は

 

作者:春日蔵首老(かすがのくらびとおゆ)

春日蔵首老は常陸国の国司の1人で常陸介。万葉集に八首収められている。

 

万葉集の56番の原文は(河上乃 列々椿 都良々々尓 雖見安可受 巨勢能春野者)となっているので、1句目を「川の上の」と訳した。両方とも字余りですが、意味的には同じです。